松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

「わたしたちに」と祈りを導くイエスさま

「わたしたちに必要な糧を今日与えてください。」(マタイ6:11)

 イエスさまは主の祈りの中で「わたしたちに必要な糧を今日与えてください」と教えてくださいました。
 でも、今はどこのお宅でも冷蔵庫を開けますと、何がしかの食べ物があります。
ですから、正直言って、「わたしたちに必要な糧を今日与えてください」という祈りは、時代と共に切実さが薄れてきているとも言えるかもしれません。
 では、私たちは、どんな気持ちで、この祈りを捧げるべきなのか、という課題が残るように思うのです。実は、この問いを解く鍵が次の御言葉です。

「二つのことをあなたに願います。わたしが死ぬまで、それを拒まないでください。むなしいもの、偽りの言葉を、わたしから遠ざけてください。
貧しくもせず、金持ちにもせず わたしのために定められたパンで わたしを養ってください。飽き足りれば、裏切り 主など何者か、と言うおそれがあります。
貧しければ、盗みを働き、わたしの神の御名を汚しかねません。」(箴言30:7−9)

 ここで箴言の著者は、「ただ、なくてはならぬ食べ物で私を養ってください」と告白しています。
つまり、この告白の背景に、「私たちの生活にとって、なくてはならない必要最低限のものまで、自分の力ではどうにもならず、ただ神さまによって与えられなければならない」という神さまへの告白があるということです。
 そしてもう1つ、「わたしに」ではなく「わたしたちに」と祈るようにと教えられています。この世界には今もなお多くの人が飢えに苦しんでいます。
その人たちと共に「わたしたちに」と祈る時、そのように祈る私に対して、神さまは何か具体的な導きをくださるかもしれません。
 そのようなことを考えながら、今日も主イエスさまが教えてくださった祈りを唱えつつ、歩んでいきたいと願います。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘