「神の恵みによって今日のわたしがあるのです。そして、わたしに与えられた神の恵みは無駄にならず、わたしは他のすべての使徒よりずっと多く働きました。
しかし、働いたのは、実はわたしではなく、わたしと共にある神の恵みなのです。」(1コリント15:10)
今日の聖句は、パウロの信仰告白のような言葉です。
このように語る直前にパウロは、「わたしは、神の教会を迫害したのですから、使徒たちの中でもいちばん小さな者であり、使徒と呼ばれる値打ちのない者です」と語って、キリストに出会う以前の自分のことを証ししています。
よく「過去と他人は変えることはできない」と言われますね。でも、今日のパウロの証しの言葉を読む時に、そうした変えがたいと思われる過去の出来事、そのところに、キリストが共におられたことを思わされるのです。
過去の出来事を思い出すたびに、そして、自分が信じ仕えている神さまのことを知れば知るほど、以前、神の教会を迫害したということが、どれだけ大きな罪であったかを深く知らされていたのが、この時のパウロだったと思います。
御子イエスさまの血をもって贖われたほどに大切な教会を、迫害してしまったわけですから。隠れる穴があったら入ってしまいたいという思いが、いつも彼の心にはあったことでしょう。
そのような過去の罪、自分自身の弱さや小ささを思うと、本当に情けなくなったでしょうし、また消えてしまいたいとも思ったかもしれない。
でも、そのことを祈っていく中で、「〈・・にもかかわらず〉の愛」をもって愛してくださる神さまに出会って行きました。
パウロを愛し用いられた同じ神さまが、あなたの神さまです。
そのお方が、今日もあなたと共におられます。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘