松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

神に赦された者として生きる

「あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。」(ルカ6:29)

 名説教者として知られている渡辺善太牧師が語った話です。
 あるヤクザが神さまを信じ、本気になってイエスさまを信じて生きていこうと決心しました。でもヤクザの世界にはそれなりの「けじめ」が要求されます。彼は、潔くけじめをつけるため、組の事務所に向かったそうです。
「指でも詰めるか」と思いましたが、相手にボカッと右の頬をなぐられたというのです。元ヤクザの人は、聖書を真剣に読み始めていましたので〈右の頬を打たれた。うむ、ここだ〉と思って、素早く左の頬っぺたを相手に向けたそうです。すると左の頬もやられました。
 そこで終わればよかったのですが、勢いよく左の頬を打たれたので、再び右頬が相手の方に向いてしまった。すると、相手は、もう一度、その右の頬をボカッと殴ったそうです。
ところが、やられた瞬間、元ヤクザと言っても、まだ半分以上、ヤクザの血が流れていました(?)ので、その血が騒ぎ「俺の新しい親分(イエスさまのことですが)はそこまでおっしゃらなかった!」と叫んで、一瞬のうちに相手を殴り飛ばしてしまったそうです。

 ところで、聖書はクリスチャンのことを「神さまに赦された者」と呼びます。神さまは、私たちの罪に応じて報いることなく、まさしく主イエス・キリストの十字架において、ご自身を現してくださった神です。
 神さまの赦しを感謝しつつも、隣人の罪を赦せない私たちさえ、主の十字架のゆえに赦す神です。さらにありがたいことに、私たちの罪を赦す神はまた、私たちを罪から遠ざけ、罪から解放されるお方でもあります。
この元ヤクザの人も、きっと少しずつ神の赦しの愛の中で変えられていったことだと思います。
 今週も、この神さまの愛を実感して歩んで行きましょう。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘