「わたしの神は、御自分の栄光の富に応じて、キリスト・イエスによって、あなたがたに必要なものをすべて満たしてくださいます。」(フィリピ4:19)
ある時、預言者の仲間のつれあいがエリシャに助けを求めます。2人の子どもを残して、預言者であった夫が死んでしまったのです。
家には借金がありました。債権者がやってきて、子ども2人を借金の肩代わりに奴隷として連れて行こうとしている。そうした現実に直面していました。
そのような中で、聖書を見ますと、預言者エリシャはその女性に、「何をしてあげられるだろうか。あなたの家に何があるか言いなさい」と尋ねました。
その問いかけを受けて彼女は言いました。「油の壷1つのほか、何もありません」と。たぶん、この時、彼女は「油の壷のほかは何もありません」と預言者エリシャに伝えたかったのだと思います。
ところが、エリシャは、そうした彼女の答えを受けて、「外に行って近所の人々から器を借りて来なさい。空の器をできるだけたくさん借りて来なさい。
その器のすべてに油を注ぐように。そして、一杯になったものは脇に置きなさい。」と指示したのです。
つまり、「油の壷1つで、あと何もない」のではなく、「その1つ残された油の壷に油を満たすお方がいること」を伝えていくのです。
この後、列王記を読み進めて行きますと、このエリシャの言葉を受けた彼女は、子どもに命じて器を持ってこさせます。持ってきた器は次々と油で一杯になっていきました。
神さまは行き詰まりを経験するあなたに、「喜びも悲しみも、悩みも問題もここに持ってきなさい。わたしのところに携えてきなさい」と招き、
共におられる全能のお方に心を向けるようにと導かれるのです。そして、そのお方こそ、栄光の富に応じてキリストによって必要なものをすべて満たしてくださるお方なのです。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘