「時をよく用いなさい。」(エフェソ5:16)
パウロは「時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです」と語って時間を管理することを勧めています。ギリシャ語では「時」と訳せる言葉が2つあり、時の流れを現す「クロノス」と「神さまの特別な時」を意味する「カイロス」です。
ここでは「カイロス」という言葉が使われています。
また「用いる」とは「エクスアゴラゾー」というギリシャ語で、元々は「お店」を意味する「アゴラ」という言葉から出来上がった商業用語で「買い取る」とか「買い占める」という意味があります。
ところで、クリスチャンにとって、「神さまの特別な時」とは神さまとの出会いの時、神さまと交わる時でしょう。ですから「時をよく用いなさい」と言う時に意味していることは「神さまとの特別な時、神さまと出会うチャンスを買い占めなさい」、ということです。
「自分の人生を、神さまと出会う特別な時としなさい」ということであり、いいことも悪いことも、神さまと出会うチャンスとして生かし、神さまをより深く知る、信仰を働かせるチャンスとしなさい、ということなのです。
ある方は、人生は信仰を学ぶ学校である、と言っていました。聖書は、「任せられている富や時間、様々な恵みを用いて、天に宝を積むように」と、私たちに勧めます。「日々の生活で起こり来る様々な、ありとあらゆる出来事を、《神さまとの出会いの機会》として用いていくように」。
また、「そのようにして、死を通しても失われることのない、神さまとの関係のパイプを太くするような生き方をするように」と、私たちに勧めているわけです。
〈神さま、あなたはこのことを通して私にどのような信仰のレッスンをお与えになっているのですか〉と訊ね、様々な出来事の背後にある神さまの御心を求めて、御言葉と祈りによって神さまに近づきましょう。
今日も、自分に与えられた出会いや出来事を、神さまが備えられた信仰を学ぶ機会として受け止め、「時をよく用いて」いきましょう!
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘