松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

皮の衣

「主なる神は、アダムと女に皮の衣を作って着せられた。」(創世記3:21)

 アダムとエバが罪を犯した直後、神さまは彼らのために皮の衣を作って着せられたと聖書は語っています。まだ食料として動物が与えられていなかった頃の話です。
アダムとエバにとって、目の前で一匹の動物が、神さまの御手によって屠られている。血を流し、肉が裂かれたのです。そのようにして出来上がった衣を、神さまの手によってアダムとエバに着せられていきます。

 その時、アダムとエバは何を感じたと思いますか? 〈自分たちがこの動物を犠牲にした〉ということです。〈この動物を殺したのは私たちだ〉と思ったのではないでしょうか。
そして、いちじくの葉っぱに替えて、こうした衣を着せてくださる神さまに、感謝の思いが湧き上がったことだと思います。衣を見るたびに、自分の罪と、それを覆う神さまの赦しの愛を実感したことでしょう。
 実は、私たちにとっての皮の衣こそ、十字架です。私たちの罪を覆う神さまの愛は、十字架においてはっきりと現されています。ですから十字架を見上げる時、本当に御子の命を奪ったのはこの私であり、あなたなのです。
もしそうお感じになれないならば、そのことを神さまに祈り求めてください。
神さまは、あなたが滅んで欲しくない、ご自分の子どもにしたい、本当に祝福された人生を送って欲しいと願って、罪の贖いのために十字架にかかって、あなたの身代わりの死を遂げてくださったのです。
これ以上の恵みはあるでしょうか。十字架を見上げる時、初めて生きる根拠をいただきます。十字架を見上げる時、生きる力と勇気をいただくのです。

 私たち人は、上を向く者として造られています。ですから、十字架を見上げて、しかも、復活し、勝利されたキリストに希望を持って、今日の一日歩んで行きましょう。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘