松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

イエスの父として召された男

「イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。」
(マタイ1:18)

 英語の「ハッピー」は、「ハプニング」という言葉から出来ていると聞いたことがあります。母親の胎に新しい命が宿ることは、本来、幸せをもたらす出来事です。
でもこの時のヨセフには失望のハプニングにすぎず、あまりにも残酷でショッキングな出来事でした。
 マリアから「受胎告知」の話を何度も聞かされていたことでしょう。でも大きくなったマリアのお腹を見ると、それは全く別の事実を物語っているようにしか思えなかったのです。
 そのヨセフを聖書は「正しい人」だったと紹介します。この「正しい」というギリシャ語は「あわれみ深い」という意味もあるそうです。ヨセフは神の律法に対する「正しさ」とマリアに対する「あわれみ深さ」の板挟みの中で苦しみました。
そして、いつしか疲れ果て、眠りこけてしまったヨセフに、夢の中で天使が語りかけるのです。
「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」(マタイ1:20〜21)

 眠りから覚めたヨセフは、この信じられないような出来事を愛する婚約者と分かち合えるようになったのです。彼は迷わずマリアを妻として迎え、胎の実が救い主であることを認め、彼女を守り、救い主誕生のためにベストを尽くしていったのです。
 この後のヨセフに関する記述を見ると、御心が明らかにされていくたびに、躊躇する事なく神に従っていくヨセフの姿が紹介されています。
 こうしたヨセフの姿は、私たちにとっての模範でもあります。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘