「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」(1ヨハネ4:19)
以前、説教で日系アメリカ人のA姉の話をさせていただきました。
このお話を、ある教会員の方にしましたら、その方は、どこかで聞いたことがある、と言って、「ペイ・フォード」という映画のDVDを貸してくださいました。
主人公のトレバー少年は、社会科の授業に出された課題について考えるのです。その課題とは、「世界を変えるにはどうしたら良いか」というものでした。
彼は、1つのアイディアを思いつきます。それは、「誰かに親切にしてもらったら、その人にお返しするのではなく、他の誰か、3人に善意を与える」というものでした。
そして彼自身がこの方法にトライし始めたのです。
まず彼は近所のホームレスにお金を渡します。映画では直接の描写は無いのですが、彼はホームレスの人と色々話したようなのです。
それから彼は、社会科の先生にも親切にしようとします。先生は、顔に火傷の傷があり、そのためか、少し頑なな心の持ち主でもありました。
それから、アルコール依存症のお母さんに喜びを与えようとします。
ある意味で、みんなが何らかの形でコンプレックスを抱えて生きている中で少年の行動が、1人ひとりに変化をもたらすのです。
映画のタイトルになっているのですが、この「ペイ・フォワード」というのは、「親切にされたら、その人にお返しするのではなく、誰か、他の三人に善意を与える」という意味です。
私は、その映画を観ながら、Aさんの話に似ているし、また、まさに「クリスチャン・スチュワードシップ」のダイナミズムはこういうところにある、ということを思わされたのです。
今、私たちの周りにはいたるところで「負の連鎖」が起こっています。そうした中で、神さまから愛を充電していただき、「愛の連鎖」を拡げていきたいと願います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘