「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」(1ヨハネ4:19)
高座みどり幼稚園が認定こども園になった年、福島から講師を迎え教育講演会を開きました。テーマは、「豊かな子育てのために―子どもを見つめる目」。
冒頭、講師が、アメリカで、子を持つ父親を対象としたアンケート調査の話をされました。「もう一度、父親をやり直せたら」というアンケートです。
ダントツに多かった回答は「妻をもっと愛することをすればよかった」、「家族をもっと大切にすればよかった」。実は私も同じように感じたことです。
「妻をもっと愛する」、「家族をもっと大切にする」。これは「大丈夫、あなたを愛しているよ」、「いいんだよ、あなたはあなたのままで」と語りかけることと同じことです。
家庭の中で意識的に、こうした投げかけをすると、そこに温かな空気が流れてくるでしょう。それがいつの間にか家庭の文化になっていく。家庭に流れるその空気を吸って生活した子どもは自分や周囲に対し温かな目で見ることが出来るでしょう。
人間はされたようにする存在、愛される経験があるので愛する力が生まれるからです。ただ1つ問題があります。そうした「正しい」知識を持っていることと、その知識に従って行動でするかは別問題です。では、どうしたらよいのでしょう?
その秘訣が福音書に出て来ます。主イエスが公生涯の最初に「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という神の言葉を聞かれたように、私たちも神の無条件の愛の言葉を聞き続けて生きるということです。
神さまはありのままのあなたを愛してくださっています。あなたをご覧になって、「大丈夫、あなたを愛しているよ」、「いいんだよ、あなたはあなたで」と肯定してくださっている。
それが分かって来ると、不思議と、私たちの愛が周囲へ向かって動き始めていくものです。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘