松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

貧弱な宝物

「あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた。主が心引かれてあなたたちを選ばれたのは、
あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。ただ、あなたに対する主の愛のゆえに、」(申命記7:6−8)

 『たからものくらべ』という絵本があります。トモコとタカシ姉弟が宝物の比べっこをします。
姉の宝物は、お姫さまのしおり、貝殻、玄関の外で拾った豆撒きの豆、その豆には、「まめじ」、「まるきち」、「ぽんころり」なんていう可愛い名前までついています。
弟も負けてはいません。愛読者カードのはがき、海で拾ったビンのキャップ、お姉ちゃんがしぶしぶくれた、これまた豆撒きの豆が2粒と、それに豆の皮。
これにもちゃんと名前がついていて「ももたろう」、「きんたろう」、豆の皮には「かわじ」。
そして姉弟が宝物の説明をするのですが、説明をもとに、1つひとつの宝物を眺めてみますと、実は「ガラクタ」に過ぎないものだったのに、何とも輝いて見えてきます。
物語では2人が宝物を取替えっこするのです。そのやり取りが、何とも微笑ましいのです。この2人の様子を見ながら、私は子どもの頃の自分のことを思い出したことです。
 今朝の御言葉には、神さまが貧弱な私たちを、宝物としてくださると教えています。宝物って何でしょう。それは稀にしかなく貴重で大切なもののことです。
神さまは私たち、稀にしかない存在を、掛け替えのない貴重で大切なものとしてくださる。
強さや立派さや偉大さや業績などの価値によるのではなく、むしろ価値がないと思われるような「貧弱さ」にこそ、神はその愛を注いでくれる。
価値なき者を価値ありとしてくれるお方が、聖書の神さまなのです。
神さまがそのようなお方でホントによかった!

いってらっしゃい。

牧師 松本雅弘