「朝になると、イエスは人里離れた所へ出て行かれた。」(ルカ4:42)
主イエスは常に群衆に囲まれて生活していました。その内の多くの人々は、病気や弱さを抱えてイエスさまのところにやって来ましたし、ある人は生活上の悩みや問題を持って主イエスに会いに来ていました。
つまり、問題や困難を抱え、その解決を求めてイエスさまの許にやってきた人々ばかりでした。なかには心の悩みを聴いていただくために、長時間、イエスさまに心の内を訴えた人もいたのではないかと思います。
同時に彼らはまた、主イエスが神の国の福音を語り始められると、その一言一言に真剣に耳を傾け聞き入ったことだと思います。
イエスさまは、そうした人々に囲まれながら、病気を癒し、悩みの解決のために傾聴し、そして神の国の福音を熱心に語り聞かせながら、彼らと一緒に生活し行動を共にしていたことを、私たちは福音書を通して知ることが出来ます。
ですから少し想像しただけでも、主イエスの多忙さを理解することが出来ます。
では、そのような忙しさの中にあって、主イエスはどのようにして、疲れ果ててしまうことや、燃え尽きてしまうことから守られていたのでしょう。
今風の言い方をするならば、どのようにご自分の体や心、そして魂のメンテナンスをしておられたのでしょうか。
実は、今日の聖句に、その秘訣が伝えられているように思います。
「朝になると、イエスは人里離れた所へ出て行かれた。」
主イエスは、朝になると、だれからも邪魔されずに、父なる神さまと二人きりになれる場所を見つけ、そこで祈りを通して交わっておられたのです。そのようにしてご自身の内面をケアされたのだと思います。
独り、神さまの前にいて、神との交わりで心満たされることからスタートする。このような主イエスの生き様から、私たちは静寂と行動のバランスを教えられるように思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘