「年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブとその指揮下においた自分の家臣、そしてイスラエルの全軍を送り出した。彼らはアンモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデ自身はエルサレムにとどまっていた。」
（サムエル下１１：１）
ダビデは紀元前１０世紀頃に活躍したイスラエル王国第２代目の王様でした。当時の国際情勢を大いに活用し諸外国をことごとく平定し、色々な意味で豊かさを享受した時代です。
この繁栄の絶頂期に本当に悲しい出来事が起こりました。ダビデ王によって犯された姦淫、その証拠隠滅のためのウリヤ殺害の罪です。
この聖書の箇所は悪魔の誘惑の巧妙さを教えると共に、悪魔の策略に対抗するために私たちが「居るべきところに居る」ことがいかに大切であるかを教えてくれます。
悪魔の誘惑に落ちたダビデは、バト・シェバと床を共にし、彼女は妊娠してしまいます。
後悔したダビデは、すぐにこの罪をもみ消そうと、前線の兵士の安否や戦いの状況を問うのを口実に、前線に居た部下であるバト・シェバの夫ウリヤを戦場から呼び戻します。
そして忠実な兵士ウリヤへの「褒美」として、妻のもとに帰らせようとしたのです。
ところが、ウリヤはダビデ王からの好意に対し、「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。
あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません」と断るのです。
契約の箱とは主が臨在なさる場所です。本来、王たるダビデが居るべき場所は主の臨在される契約の箱が置かれた所、すなわちアンモンとの戦いの最前線であったはずでした。
あなたは今、あなたが居るべき場所に居ますか？クリスチャンとしてふさわしい所に立っていますか？
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘