「わたしは魂を注ぎ出し、思い起こす」（詩編４２：５）
詩編４２編を読むと、魂が渇ききっていることを知った詩人が、真剣に自らの魂のために、執り成しの祈りを捧げています。
「なぜうなだれるのか、わたしの魂よ、なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう、『御顔こそ、わたしの救い』と。わたしの神よ」
そうした中で、この時に詩人が特別にしていることがあるのです。それは「思い起こす」ということです。
ある方がおっしゃっていました。「良い記憶は、今の私を生かす」と。
「わたしは魂を注ぎ出し、思い起こす。喜び歌い感謝をささげる声の中を、祭りに集う人の群れと共に進み、神の家に入り、ひれ伏したことを。」
彼は今までの歩みを振り返り、本当に励まされた出来事、恵みを受けた経験、そして何よりもそのとき、そこに共におられた神さまのことを思い起こしているのですね。
ところが、残念なことに、心の目が開かれていないために、どの場面においても神さまが共におられることに気づかないでいることがあります。
十字架の出来事でつまずいた弟子たちに復活の主が「エルサレムに留まりなさい」と言われる前に、「まずガリラヤに行きなさい」と命じられました。
ガリラヤ、そこは主イエスとの思い出の詰まった場所でした。
ガリラヤに行くことで、自分たちを招かれた時の主の真剣なまなざし。宣教から戻って来たとき肩を抱いて迎えてくださった主イエスの笑顔。「ご苦労様」とねぎらってくださった優しさ、そうした一つひとつの記憶が思い起こされたことでしょう。
ところで、あなたにとって「ガリラヤ」はどこにありますか？イエスさまの優しさに触れたのは、いつ、どこだったでしょう？そうしたことを思い起こし恵みを味わうことは、あなたの魂に力を与えることでしょう。
今日、ちょっと時間を取って、神さまの恵みを数えてみませんか？
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘