「イエスはそれを許さないで、こう言われた。『自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。』」
(マルコ5:19)
私が最初に通った教会は東京の武蔵小金井にありました。自宅があった押上からは大分離れたところにありました。
当時、毎週教会に行くのが楽しく日曜日が待ち遠しい日々を過ごしていました。家に居れば両親から小言を言われることもあり、少しでも早く家を出て独り暮らしするのが夢でした。
幸か不幸か進学する大学も自宅から遠く、それを口実に比較的大学から通いやすい教会の近くでアパート暮らしをしたいと密かに願っていました。ただ問題は両親です。
なかなか首を縦に振ってくれません。どう説得したらよいかと、一生懸命に無い知恵を絞り出そうとしていました。今から考えると「親の脛かじり」なのに、本当に勝手なことばかり考えるものです。
ただ一方で、果たして独り暮らしが神さまの御心に適っているかどうかということも心に引っかかっていて、正直、平安がありませんでした。
そのような時、聖書研究会の合宿に参加する機会を得たのです。講師の野田秀牧師は優しい穏やかな先生に見えました。
ですから思い切って先生に相談したのです。というか、私の願いを後押ししてくださるお墨付きを先生からいただこうとしたのだと思います。
実はその時、話を聴かれた野田先生が最後に読んで聞かせて下さった御言葉が今朝の聖句だったのです。
「松本さん、あなた、楽な方を選んでいませんか?ご家族に証しするために、神さまがあなたをお家に遣わしていませんか?祈って考えてみてください。」
「したいこと」を求めていた私に、主から「してほしいこと」が示された、忘れることのできない経験となりました。そこから成長が始まったように思います。あなたはいかがですか。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘