「悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。 彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。 主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。
主に自らをゆだねよ/主はあなたの心の願いをかなえてくださる。・・・主は人の一歩一歩を定め/御旨にかなう道を備えてくださる。 人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。」
(詩編37:1−4、23−24)
私たちは競争と選抜のシステムの中で生きています。そこでは、実績をあげることによって初めて世間に認められ、そのときこそ、人生に意味があると自らも感じることができます。
でも、本当に生きるに値する人生が、人間の成し遂げる業績によるのでしょうか。
実は、このような価値観の中で苦しむ多くの人がいます。そのひとりがパール・バックでした。
彼女は『大地』という作品を書いてノーベル賞を受賞した女流作家でした。彼女の少女時代の夢は「自分の家が子どもたちで一杯になるように」ということでした。
そうした中で、彼女は後にも先にもたった1人の娘を出産します。ところが、彼女の言葉を使うならば、その子は、「決して大人になることのない子ども」、すなわち、先天性の障碍を持つ子どもだったのです。
それを知った時?彼女の胸をついて出てきたのは、「どうして、私はこんな目に遭わなくてはならないのだろう」という悲しみの叫びであったと告白しています。
考えても悩んでも、この疑問に何の答も与えられないことをついに悟ったとき、彼女の心は、この子には必ず存在の意味がある、と意味を求める心の旅を始めているのです。その証しが、『母よ嘆くなかれ』という本にまとめられました。
横との比べ合いではなく、神さまの御心の中に、あなたが求めている幸いが隠されています。そのこと、忘れないでいてくださいね。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘