「イエスは答えて言われた。『はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。』」(ヨハネ3:3)
牧師館の応接間には、新潟敬和学園校長をされていた榎本栄次先生の書が飾られています。以前、講演で高座教会に来られた際にいただいたものです。
思い通りに ならぬ事ばかり
思い通りに なっていたら大変だった
思い通りに ならなくて良かった
講演では、「一度生まれの人」と「二度生まれの人」がいて、本当に人間らしく生きていくには新しく生まれる必要がある、と語られました。
先週の説教でもお話しましたが、誰もが、この両親の許に生まれようとして生まれてきたのではありません。男が得か、女が得かと考えた末に女に生まれてきたという人はいないのです。
むしろそうした意思と無関係に、私としてこのように生まれてきました。
榎本先生によれば、「二度生まれの人」というのは、自らの生まれを「自分のこととして受け取りなおしていく人」のことだそうです。
そうできないと何が起こるかと言えば、結局、人のせいにして生きていくことになります。人や友人、同僚、学校や職場のせいにするのです。でも文句を言っても問題の解決にはなりません。
大切なことは、確かに問題もあるかもしれませんが、男として生まれてきた自分、亀吉と鶴子という両親の許に生まれてきた自分。
日本人として生まれてきた自分、神さまの似姿に造られた者、つまり人間として生まれてきた自分を選びとることです。そこから、全てが始まる。これはとても大切なことだと思いました。
聖書は、あなたが誰なのかをはっきりと教えています。それは神さまの作品です。作者である神さまが一番良く知っておられるのです。
ですから、あなたは造られた意味を理解し、生かされている目的を知り、それにそって生きていくのです。それを自分の意志で選びなおしていくことです。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘