松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

祈り―神と共にいる経験

「あなたの庭で過ごす一日は千日にもまさる恵みです。主に逆らう者の天幕で長らえるよりは、わたしの神の家の門口に立っているのを選びます。」(詩編84:11)

 神学校の恩師が詩編研究のクラスで「詩編信仰の極みは神とのロマンスにある」と語った言葉を今でも忘れることが出来ません。詩編は祈りの言葉に満ちていますが、その祈りの究極は神さまとの愛の関係を喜ぶことにあるというのです。
例えば、恋愛中の若いカップルのことを想像してみてください。デートの時に、二人はどこか楽しいところに行き、素敵なレストランでおいしい食事をし、色々なお話をすることでしょう。
でもよくよく考えてみると、こうした二人にとって、どこへ行くか、何を食べるか、どんな話をするかは二の次で、実は二人が一緒にいること自体が、何よりも楽しいこと、幸せなことなのではないでしょうか。
これは祈りにも当てはまる真理なのです。愛する神さまがあなたのことを大切に思ってくださっている。あなたと共にいたいと切に願っておられる。ですから、そうした神さまと共にいること自体が、じつは最も素晴らしいことであるはずです。
別に多くの言葉をかわす必要もありません。どのような形であったとしても、何よりもいちばん大切なことは、愛する神さまと共にいることを味わうことですから。

 少し、あなた自身の祈り方について振り返ってみましょう。
こちらの言い分だけを神さまに訴えた後、「これらの祈りを、主イエスさまの御名前を通して祈ります。アーメン」と祈る時、
もしかしたらそうした姿は、ちょうど電話を受け、こちらの言いたいことだけを一方的に伝え、そしてガッチャと受話器を置く代わりに「アーメン!」と唱え切り上げてしまうのに似ていないでしょうか。
今日の一日どこかで、あなたと一緒にいたいと願っておられる神との時間を聖別されてはいかがでしょうか。

いってらっしゃい。

牧師 松本雅弘