松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

本当に大切なことを大切にするために

「だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」(ルカ14:11)

 本を読んでいて、こんな言葉と出会いました。
「プライドが高く尊大な人は、はしごが正しい壁にかかっているかどうかよりも、他人と比べてどれだけはしごを登ったかによって安心感を得ようとする。彼らは、自分よりも下の位置に人がいるのを見て、自分に価値を感じるのである。
彼らがめざしているのは、ただ前進することである。それが間違った方向に前進しているかどうかということは二の次である。」と。
私たちが天地万物の造り主なる神さまとの出会い、イエスさまとの出会いを経験できていない時、私たちは、心の深いところで、上座に座りたがる自分を発見します。
それは、〈今のままの自分では駄目だ〉と心の深いところで感じているからでしょう。ある種の劣等感があるからかもしれません。もしそれが劣等感から来るものであれば、手っ取り早い解決策は、優越感を持ことだと思ってしまうのです。
そして、いつも周囲と競争し合い、お隣さんとの比べ合いで一日が過ぎてしまいます。
ですから、「それが間違った方向に前進しているかどうかということは二の次」で、大事なことは人よりも上座に座ることであり、他人よりも抜きん出ていることなのです。
主イエスは、そうした上座を真剣になって求める、高ぶる人々の心の内を見抜いておられました。
彼らの外側に現れる行動自体が、実は神から離れている現実の動かぬ証拠であると考え、「だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」とおっしゃったのです。
神さまの救いにあずかった者、神さまに知られ、神さまに愛されていることを知った私たちは、おのずとその生き方が変わってくるはずです。
もう尊大になる必要もなく、むしろ、本当に大切なことに集中して生きることが許されているのですから。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘