松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

命を得させてください

「わたしの魂は塵に着いています。御言葉によって、命を得させてください。」(詩編119:25)

 日本からの駐在員の家族が住むニューヨークのマンションで、たまたま2人の女性がエレベーターに乗り合わせたそうです。
ボタンに近い方の人が「どちらですか?」と声をかけたのに対し、聞かれた方の女性が、「白百合です」と学校名を答えてしまった。
たぶん聞いた方の人は、「何階のボタンを押しましょうか?」という意味で「どちらですか?」と尋ねたのですが・・・。
子どもたちが小さい頃、我が家でもこんな話がありました。近所のお友だちが遊びに来て喧嘩になり「お家自慢」が始まりました。
段々とエスカレートし、最後に、そのお友だちが、「家なんて、キャンピングカーもっているんだよ」と言った途端に、我が家の子どもたちは反論できず、黙ってしまったところで、勝負が決まりました。
私たちは、自分の持ち物で自分の価値を確認します。より高価なもの、希少価値のあるものを持っている人のほうがそうではない人よりも立派で、賞賛に値する。
聖書はそうした「いちじくの葉」をいっぱい身に付けて、自分の価値を確認しようとしているのが、神から離れた人間の姿だと教えているように思います。
本来、神の口から出る一つひとつの言葉によって生きると言われている人間が、そのいのちの源なる神さまから離れてしまったために、結局、自分で自分を満たすしか方法がなくなった。
一生懸命、持ち物や、肩書や、周りの人たちの評価によって自分の価値を見つけようとする。
パスカルは、「私たち人間の心には神さましか満たすことのできない空洞が存在している」と語ったと言われます。
今日も、神さまは、あなたの心を満たしたいと願っておられる。そのお方に向かって、「御言葉によって、命を得させてください。」と祈りの手を挙げていきたいと思います。

 いってらっしゃい。

 牧師 松本雅弘