「ところが、旅をしていたあるサマリア人は、その場所に来ると、その人を見て気の毒に思い、近寄って傷にオリーブ油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』」(ルカ10:33−35)
ジョン・ホワイト先生は、イギリスの大学で医学を学び、後に精神科医になり、その後、献身して南米のキリスト者学生会の主事になった方です。 ある時、奥様が手術を必要とする重い病にかかったのです。先生はどの友人(医師)に妻を託そうかと真剣に考えました。その際、医師を選ぶ上で二つの条件を考えたそうです。 一つは、複雑な手術を行うだけの知識と技術を持ち合わせている医者であること。二つ目は、本当に治してあげたいという心を持っている医者であるかどうか、ということ。この条件に合う医師を選び、奥様を託し、幸い手術は成功し病は癒されたそうです。 イエスさまが律法の専門家に語られた、たとえ話の「善きサマリア人」には、瀕死の重症を負って倒れている人を介抱するための知識や技術、財力がありました。加えて「助けたい」という愛の心も備えていたのです。 仮に知識や力があっても、意思がなければ力は発揮されません。逆に助けてあげたいと思っても、助ける術を知らなければ、思いは空回りしてしまうのです。愛の心と具体的なスキルの両方を携えていた彼は、用いられていきました。 先週の土曜日、教会ではガールスカウトとボーイスカウトの入団、進級式が行なわれました。私はスカウト活動を思うたびに、「善きサマリア人」を思い出します。私たちも、教会の子どもたちと共に、神さまから愛の心と具体的なスキルや「力」を身につけていきたいものです。
いってらっしゃい。 牧師 松本雅弘 発行者名:高座教会 連絡先:info@koza-church.jp 住所:大和市南林間2−14−1