「あなたは私の愛する子、私の心に適う者」(マルコ1:11)
以前、講師を招き、「豊かな子育てのために―子どもを見つめる目」というテーマで講演をお聴きしました。冒頭、アメリカで、父親を対象のアンケート調査の話がありました。「もう一度、父親をやり直せたら」と問いかけた結果、ダントツに多かったのが、「妻をもっと愛することをすればよかった」、「家族をもっと大切にすればよかった」という答えです。 お聴きしながら深くうなずかされたことです。日頃、私自身も同じようなことを考えていたからです。「妻をもっと愛する」、「家族をもっと大切にする」、まさにそれは、「大丈夫、あなたを愛しているよ」、「いいんだよ、あなたはあなたのままで」と語りかけることと同じことです。つまり、愛する、ということでしょう。 こうした会話がある時、家庭の中に温かな空気が流れてくるでしょう。それがいつの間にか、その家庭の文化になっていくことだと思います。そうした家庭に空気を吸って生活する子どもは、自分に対しても、温かな目で見ることが出来るでしょうし、お友達に対してもそう接するに違いないのです。 私たちは、「おはよう」と笑顔で声を掛けてもらうと、「オハヨウ」と返すことができるようになる。自分が受け止められている、受け入れられているという実感が出来て来ると、人を受け入れることができるようになってくるでしょう。 親が祈りつつ、意識して子どもの心のタンクに愛情を注ぐようにしていくと、子どもたちは愛されていると実感し愛することができる人に成長していく。すると親自身も我が子から愛をもらっていることに気づく。愛は決して一方通行のものでなく循環するものだからです。 主イエスの公生涯も「あなたは私の愛する子、私の心に適う者」という神の言葉を聞いて歩まれて行かれました。そこに生きる秘訣があります。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
発行者名:高座教会 連絡先:info@koza-church.jp 住所:大和市南林間2−14−1