松本雅弘牧師の日々のみことば

月曜から金曜の毎朝、高座教会の牧師からメッセージをお届けします

ラザロを顧みる主

「ある金持ちがいた。紫の布や上質の亜麻布を着て、毎日、派手な生活を楽しんでいた。この金持ちの門前に、ラザロと言う出来物だらけの貧しい人が横たわり、その食卓から落ちる物で腹を満たしたいと思っていた。犬もやって来ては、彼の出来物をなめていた。やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによってアブラハムの懐に連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。」(ルカ16:19−22)
 信徒宣教者の柳沢美登里さんが、以前、教会祈祷会で、今の日本社会が抱えている次のような問題を、スライドに写して見せてくださいました。 ・日本人の85%が生きる意味がわからないと言っている ・12年連続で自殺者が3万人+ ・「無縁社会」人間関係の孤立 ・うつ病(推計250万人)や精神的疾患の激増 ・失業増(3人に一人非正規雇用) ・児童虐待(約5万件18年連続増) ・いじめ・不登校 ・弱者への無関心 ・孤独死(独り暮らしの6割問題) ・薬物、アルコール中毒
今、コロナ禍でさらに数値は悪化しているかもしれませんし、さらに複雑で難しい問題が生じていることだと思います。いずれにしても、世界には、こうした声なき者「ラザロ」が大勢おられる。いや、ある面私たちも「ラザロ」かもしれません。そうした私たちが共にこの世界に生きていることを改めて知らされます。 さて、「ラザロ」という名が出てきますが、譬え話に固有名詞が出てくるのは異例です。実は、声を上げることも出来ない弱い立場にある方々にも「固有の名前」があるのだと、主は気づかせようとされているのではないかと思うのです。 しかも「ラザロ」とは「神は彼の救い」という意味です。そうした方々と共に、神の愛を具体的に味わい、「神はあなたの救い」ということを、まさにその名を身に帯びた方々に分かる形で表していくように、私たちは召されていることを思います。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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