「五羽の雀は二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神の前で忘れられてはいない。それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れることはない。あなたがたは、たくさんの雀よりも優れた者である。」(ルカ12:6−7)
ある日、イエスさまと弟子たちを乗せた舟が湖の上で沈みかかりました。弟子たちは慌てふためき、主は平安のうちに眠っておられた、と言うことがありました。 ところで、今日の聖句を見ると、神の許しがなければ、雀一羽すら死ぬことはないと教えます。しかも私たちはそうした雀よりもはるかにまさった存在ですから…。 ところで、アウグスチヌスは次のように語っています。 「私たちはこの世の海を航海しているのです。風が起こり、誘惑の暴風が起こる。何故でしょうか。イエスが眠っておられるからです。それはどういうことでしょうか。それは、信仰が眠っているからです。キリストが目覚めておれば、波はない。故に、『主よ、起きてください。私たちは滅んでしまいます』というべきです。そうしたならば、彼は永遠にあなたがたと共にいまし、あなたがたは平安であります。」 眠るイエスさまと慌てふためく弟子たちの姿は対照的です。父なる神に完全な信頼を置いておられた主は眠り、眠った信仰の弟子たちは慌てふためく。信仰が目覚めているか、眠っているかは、生活に突如として突風が襲ってきたときに明らかになるのですね。 「信仰」のことをギリシャ語で「ピスティス」と言いますが、「神さまの真実」にも、同じ「ピスティス」という言葉を聖書は使います。「あなたがたの信仰はどこにあるのか」と御声をかけてくださるお方は、真実な御方です。一羽の雀を御心にとめ、あなたの髪の毛一本一本を知っておられる神さまの真実に信頼して、今日一日を過ごしていきましょうね。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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