「主はアブラムに言われた。『あなたは生まれた地と親族、父の家を離れ私が示す地に行きなさい。…』…アブラムは主が告げられたとおりに出かけて行った。」（創世記１２：１、４）
ある日、主はアブラムに対して「あなたは生まれた地と親族、父の家を離れ私が示す地に行きなさい」と言われました。「従っても、従わなくてもいいですよ」という選択を求めたのではありません。「行きなさい」と命令し、服従を求められたのです。そして「アブラムは主が告げられたとおりに出かけて行った」と創世記は伝えています。 この時、アブラムはすでに７５歳です。老後の人生設計もあったでしょう。しかしそのことも神さまに明け渡し、神に備えていただいた「もう一つの人生設計」にかけたのです。神の御計画はアブラムが考えたもの以上に豊かで最善なものだったでしょうから。 １９６８年、メキシコオリンピックのマラソン競技の時に、先頭から一時間遅れで足を引きずりながらスタジアムに入ってきた走者がいました。タンザニアのアクワリ選手です。彼を迎える観客もまばらな中、彼は最後まで走りきってゴールしたのです。 ある人が尋ねました。「なぜ、こんなにも遅れて、途中で棄権するようなことは考えなかったのですか」。彼は答えました。「私が選手として派遣された使命はスタートを切ることではなく、ゴールすることでしたから」。 スタートを切らなければゴールすることはできません。同時にスタートしただけでは、自然にゴールすることもできないのです。 アブラムもスタートした後、約束の地を目指して神さまに従い通していきました。 私たちのとってのスタートはイエスさまを救い主、主と信じて洗礼を受けることです。でも、それで全てが終わるのではありません。そこから実際の信仰生活が始まるのです。 今日も、御言葉を通して導く主イエスに従って歩んでいきましょう。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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