「今、万軍の主はこう言われる。あなたがたは自らの歩みに心を留めよ」(ハガイ1:5)
主イエスの誕生の5百年ほど前、ちょうどペルシャ王キュロスがエルサレム神殿を再建させるために捕囚のユダヤ人を解放しました。 神殿再建の使命に燃えて帰って来たユダヤ人は、建設工事に着手するのですが、しばらくすると工事が中断するのです。それから18年間、中断は続きました。 帰還当初、工事を支える生活の基盤を確保することの方が先だと言って、人々は神殿再建の手を休め、各自の生活再建を開始しました。ところがそれから18年間もたっています。各自の生活も軌道に乗ってきました。中には貴重品の木造家屋に住む富裕層も現れて来たほどです。 ところが、そうした彼らの心の中に、不思議なことが起こっていたのです。それは不満と欠乏感です。いくら食べても満足がないのです。酒をあおるように飲んでも酔えないのです。一生懸命稼ぐのですが、それ以上に出費がかさむのです。 そうしたユダヤ人に対して神さまは預言者ハガイを送り、「あなたがたは自らの歩みに心を留めよ」と、自らの生活を神さまの御前に点検するように、と促したのです。 イエスさまは「私たちの宝のある所に心もある」と言われたことがあります。荒れたままに放置された神殿は、まさにそうしたことに価値を見出していない、ハガイの時代のユダヤ人の心の表れだったのです。 この時、「神さまを信じていますか」と質問されたら、「当たり前でしょう」と答えたと思います。でも、「神さまを信じます」という告白と神殿再建をほったらかして快適な生活を追及する彼らの実生活の間には大きな開きがあったのです。 こうしたユダヤ人に対して主は、「あなたがたは自らの歩みに心を留めよ」と言って、信仰の点検を迫りました。今朝もう一度、主の御前に私自身の信仰の歩みを点検させていただきましょう。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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