「誰も、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を疎んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」（マタイ６：２４）
今日の聖句をある英語の聖書で読みましたら、「二人の神を同時に礼拝することはできません」と訳されていました。つまり、「私たちの真の主、真の主人は、神さまお一人でよし」ということです。 エレミヤは神の民に語りました。「わが民は二つの悪をなした。／命の水の泉である私を捨て／自分たちのために水溜めを掘ったのだ。／水を溜めることもできない／すぐに壊れる水溜めを。」（エレミヤ２：１３）と語りましたが、まさに「水を創造した神である私と井戸とを混同するな」と語られたわけです。 振り返ってみればイスラエルの歴史はまさしく、神さまの賜物を神さまと勘違いする歴史でした。カナンの土地さえあれば安心、国家さえあれば安心、神殿さえあれば幸せ。まことの神さまにより頼むことをせずに、むしろ土地それ自体、国家それ自体、あるいは神殿それ自体を頼りにしました。 でも、土地も国も神殿も神からの賜物であり、それ自体が「神」ではないことを知らせるために、それら一つひとつの賜物は彼らから取り去られてしまったのです。 何故なら、本当に第一にすべき主なるお方へとイスラエルの民の心を向かわせたかったから。それが彼らにとっての一番の幸せだと神さまはお考えになっていたからです。 よく、心には王座があると言われます。その王座は神さまの指定席です。でも神さまを忘れる時、他の物がその席に置かれることがあります。 エレミヤの言葉にあるように、生ける水の源なる神を捨て、自ら掘った水溜の水で渇きを癒やそうとしても、再び渇くのは時間の問題でしょう。 神さまを神さまとあがめましょう。そのお方こそ全ての善きものの源なるお方なのですから。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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