「ひたすらキリストの福音にふさわしい生活を送りなさい。」(フィリピ1:27)
パウロは、フィリピ教会の兄弟姉妹に、キリストの福音にふさわしい生活を送りなさいと勧めました。「生活を送りなさい」とは、「都市(ポリス)」を意味する「ポリティウエッセ」というギリシャ語です。つまり「ポリスの市民として生活しなさい」という意味です。 当時、フィリピを含め地中海世界はローマ帝国の支配する世界でした。ある町がローマの植民地になると、ローマ人によってその町の装いが完全に造り変えられたと言われています。港から都市に大通りを敷き、円柱をたて、「アゴラ」と呼ばれる広場を作り、水道を敷き、「すべての町はローマに通ず」と言われるほどの道路整備を行いました。 さらに退役軍人には植民地に土地が与えられ、その結果、「小さなローマ」が世界中のいたるところに出来上がったわけです。政治や文化、また価値観の面でもローマが支配していきました。これが「ポリスの市民としての生活を送る」ということの意味です。 ローマの市民がある土地に住み着くと、そこがローマ化していったように、神の国の市民として、たとえどこに住んだとしても、そこにおいて「神の国の市民風の生活」をしなさい、とパウロは勧めているのです。 そのようにして神の国の前味が、家庭で、職場で、そして地域社会に広がるように、私たちの周囲に、イエスさまを王とする神の国が広がるように、そして、神の国の価値観である愛が広がるように、とパウロは勧めているのです。 「ひたすらキリストの福音にふさわしい生活」をすることで、神の国の市民としての善き影響を地上に溢れさせていきなさいということです。 今日の一日「御国が来ますように、天におけるように、地の上にも」と、主の祈りを祈りつつ、それぞれの場へと派遣されていきましょう。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/9evgJCh9dK7HtiNz6
発行者名:高座教会 連絡先:info@koza-church.jp 住所:大和市南林間2−14−1