「イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。『あなたに欠けているものが一つある。…』」（マルコ１０：２１）
ある日、一人の人が走り寄り、ひざまずいてイエスさまに尋ねました。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」 別の福音書には、彼は金持ちであり、議員を務め、若さがあったことを伝えています。若いということは、将来があるということでしょう。ですから他人が羨やむようなものをすべてと言ってよいほど、ほとんどのものを手に入れていたのです。 そうした彼がイエスさまを見つけるなり、走って来て、公衆の面前でひざまずき質問したのです。何故でしょう？きっと〈自らの人生に何か足りなさ〉と感じていたからだと思います。 イエスさまは、この彼を「見つめ」そして「慈しん」で「あなたに欠けているものが一つある」と言われました。そして、「行って持っている物を売り払い、貧しい人々に与えなさい。そうすれば、天に宝を積むことになる。それから、私に従いなさい」と投げかけたのです。 これを聞いた彼は、この言葉に失望しました。期待していたものではなかったからです。ですからイエスさまにも失望しました。そして、悲しみながら立ち去ったのです。 お金があり、若さもあり、知恵に長け、地位もありました。将来も開けていました。人々は彼を羨望の目をもって見ていたのです。でも、もっと大事なことは、彼の姿が、主イエスの瞳にどのように映っているかなのです。 今、あなたの姿は、慈しみ深いイエスさまの瞳にどのように映っていると思いますか。そのイエス様は、あなたに何と語りかけてくださっているでしょうか。
いってらっしゃい。
牧師 松本雅弘
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